狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】
「熊井と狼谷なんて意外な組み合わせだな……」
先生は少し不思議そうにあたしたちを見つめた後、ロッカーに視線を移した。
「熊井はこのクラスじゃないだろ?……――お前ら、そこで何してたんだ?」
何かを疑うような目に変わった先生は教室に入り、あたしたちに近づいてきた。
や、や、やだ。
ど、どうしよう!!
このタバコが先生に見つかったら、謹慎は間違いない。
狼谷君は以前にも謹慎になったことがあるし、今回はもっと重い処分が考えられる。
何とかしてこのタバコを隠して狼谷君を助けなくちゃ……――!!
あたしはタバコをギュッと握りしめて自分の背中に隠した。