狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】
だけど、がっついて食べるなんてダメ!!
とにかく少しでもよく思われるように……――。
思わず険しい表情でそんなことを考えていると、
「無理すんなよ」
狼谷君はサラッと言った。
あぁ……。なんか……狼谷君のこういうところ……好きだなぁ。
狼谷君は何も考えていないようで、ちゃんと周りに目を配っている。
あたしのちょっとした変化も気にかけてくれる。
どうしよう……。なんか、今、すごく嬉しい。
「あたし今なら特盛食べられそう」
勢いに乗ってパクパクと牛丼を口に運ぶ。
すでに食べ終えていた狼谷君はそんなあたしをジッと見つめた後、小さく笑った。