狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】
だけど、しょうがない。
あたしの心の中にいるのは……狼谷君だから……。
今のあたしには、狼谷君以外の男の子のことは考えられない。
「あれっ?」
その時、ふと体育館の方に歩いていく金髪の男の子に気が付いた。
制服のポケットに片手を突っ込みながら歩くその人は間違いなく狼谷君。
いつも目で追ってばかりいるせいか、最近では後ろ姿を見ただけで狼谷君だってわかるようになってしまった。
「うわぁぁ、まさかこんなところで会えるなんて……」
慌てて立ち上がりスカートについた芝生を払い、狼谷君を追いかける。