狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】
狼谷君との距離が少しずつ少しずつ近くなる。
それに比例するようにどんどん心臓の音が激しくなる。
狼谷君はどこに向かっているんだろう。
彼の歩く方向には体育館しかない。
制服を着てるってことは体育の授業にでるつもりではなさそう。
っていうか、あたし……
狼谷君の体操着姿って……見たことあったっけ?
そんなことを考えながら狼谷君の後を追いかけ、あと一歩で追いつくというところで足元の石につまづいた。
「……――キャッ!!」
転ぶ直前で何とか大勢を整える。
「危なかったぁ……」
胸をなで下ろして顔を上げると、そこにはもう狼谷君の姿はなかった。