眼鏡の裏にSな君
______大丈夫大丈夫大丈夫…


私なら、先生とちゃんと話せるっ!





私はきっと、今までで一番緊張しているんだと思う。


緊張を上手く勇気に変えて、私はドアノブに手を触れた。



「ん?かりんこか?何しとるん?」

「ひゃっ!?ああ、先生っ!?」

「ひゃっ!?てなんや(爆笑)んで、どしたん?俺のクラスに用事か?」

「あ、先生っ、これ保健衛生部からの資料です!」

「おお、さんきゅーってお前パシリか?(笑)」

「違いますっ!お手伝いですよぉっ」

「おお、じゃあ俺の『お手伝い』もしてくれへん?コレ、運ぶの一人やと大変やし」

「へっ?…ひ、一人でできるでしょ、先生なら」

「かりんこやから、頼んでるんやけど?まぁ、今回は逃がしてやるかー」

「わっ、わかりました!や、やりますぅ!」

「さすが!よくわかっとるやん(ポンポン)」




ポンポンってされたぁ!?//////

し、しかも「かりんこやから頼んでる」って、何!?///////




嬉しいけど、反則だよ。


だって、私がこんなにドキドキしてるのに先生は全く動じてない。



私にとって、先生の言葉一つ一つは私の人生を軽く変えちゃうくらい大切なのに。




ちょっと、傷つくな_____。



こういう事、他の子にもしてたのかな。

『かりんこだから、頼んでる』なんて、口実だもん、きっと。


先生にとって、私の存在はどの位の大きさなのかな_____。






先生、教えて。



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