※公開終了間近! イロモノなアタシ
背筋が寒くなる話だけれど、この街では珍しく無い存在。


こうして街中で相手に声を掛けたり、専門の飲み屋に所属したり。


「急いでるの、じゃあねー」


後部座席にクミさんを置くと、ドアを閉めて走り出す。


新宿から近いクミさんの住む大久保のマンションにたどり着いたのは、それから1時間後。


週末だから、道はめちゃくちゃに混んでいて、なかなか進まなかったからだ。


「クミさん、着いたよ」
「んあー、ありがとう」

フラフラ歩く彼女を部屋へ送り届け、ドアの鍵が閉まるのを確認して車にまた乗り込む。


そんな時、不意に電話が震えるのを感じた。


液晶を見ると、登録されてない番号からの着信と分かる。


まさかとは思うけれど、鳴瀬さんからの電話かも知れないと思って出てみる事にした。

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