※公開終了間近! イロモノなアタシ
「はい、シホですけど」
『志穂ちゃーん 』


電話をかけて来たのは、高校大学と一緒に進んだ友達の綾女。


鳴瀬さんじゃなくて残念だけど、そんな期待をしちゃいけないと自分を戒めるために頭を叩く。


「こんな時間にどしたの? 」
『あのねー、レポートをねー』


まだるっこしい話し方、おっとりとした性格だから仕方ないけど。


電話番号変えた事も知らせない位。


多分、ストーカー対策なんだろうな。


「まだ終わってないの? なら明日の朝早く行くから、写していいよ」
『ごめんねー、レモンでケーキおごるからー』
「うん、じゃあお休み」
『おやすみなさーい』


間延びした話し方の相手をするのに疲れ、さっさと電話を切って車を発進させた。


これから家まですぐだけど、靖国通りの大渋滞をまたくぐらなくてはいけない。


仕事が終わったのは午前1時、家に着いたのは午前6時だった。
< 20 / 386 >

この作品をシェア

pagetop