※公開終了間近! イロモノなアタシ
着替えを済ませて『ZUKA』に行くと、満員で座れそうにない。


「申し訳ありません、空いたら連絡しますので」


レイ君はクミさんを前にして、緊張している。


「じゃあ、またねー」


良かった、普通にスルーしてるよ。


空きのあるバーに向かい、飲み始める。


「いやーキツいわよねー、正月明けは」
「ですよね、あ、あたし明日から大学なんですよ」
「学生さんって大変だわね、あ、そうそうハギモトから連絡はあった? 」
「まだです、やっぱりダメかも。まあ、正月早々土下座はヤバかったですよねー」


笑いを取ろうと盛り上げるが、クミさんは何にも表に出さず、携帯ばかり気にしていた。


そんな時、着信音が鳴る。


『ZUKA』に空きが出来たのだろうかと思い、聞き耳を立てていると


「はい、じゃあ今から、ええ。皆、ごめんなさい、今からアフターだって」
「お、モテモテじゃん。行ってらっしゃーい」


蘭子さんやミミちゃんは明るく送り出すけど、あたしは何だか落ち着かない。
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