※公開終了間近! イロモノなアタシ
綾女は、この状況に酔っているだけではないのか?


鈴子ことレイ君だって。


事情は聞いたけれど、やっぱり無理な話だ。


こんな時、お父さんなら何て裁いてくれるのか?


『お止しなさいな、綾女ちゃんみたいなお嬢様が貧乏に耐えられるわけ無いじゃない』


とでも言うだろうか。


それとも同じ同性愛者として


『おやんなさい、ランデブーなんて洒落たマネなら応援するわよ』


とか。


あたしは、どっちつかずの自分に悩む。


でも、ここで答えを出さなきゃ。


「綾女、大学も退学だし就職も結婚も出来ない、宝塚だって近いけどお金かかるし観に行かれないんだよ、いいの? 」
「うん」


うん。じゃないし、親友なのに、あたしはどうしたらいいのか迷路にハマり込む。
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