オンライン中毒
この部屋は相変わらず辛気臭く、じめじめとし、ナメクジでも湧きそうな空間だった。


真っ暗なだけではなく、世の中の悪臭という悪を詰め込んだような雰囲気を、霧のように作り出していた。


「義三さん、入りますよ?」


重たい扉を開くと、異臭がツーンと鼻腔に突いた。やはり今日もオムツを変えていないようだ。素早く小窓を開けた。


「久美子! 会いたかったよぉ……!」


「はいはい! 私もですよ。まずは体を綺麗にしましょうね?」


良かった。今日の義三は機嫌が良さそうだ。
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