オンライン中毒
 駄目。これ以上ここにいたら決心が、感情がバラバラになってしまう。


フラフラに体を揺らしながら、ビトンのバックをかろうじて持ち、階段の手摺りを頼り一階へ下りた。


一先ずキッチンへ行き、使い慣れたコップを手に取り、水を汲み、飲んだ。


このでこぼこのコップは、綾が社会化見学で作り、持って帰ってきたコップだった。


――なんで手に取ってしまったんだろう?


ただの水道水が、自然が力を与える山水のように、とても美味しく感じられた。


グラスを愛おしくタオルで拭き、鞄にコッソリと忍ばせた。
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