オンライン中毒
 秋人はなにかをブツブツ呟きながらトイレに向かった。まぁいいか。その間に。


「すみませーん!」


店員が慌てて駆け寄ってくる。店内はなかなかの繁盛っぷり、サラリーマンで混み合っている。


「はい。ご注文でしょうか?」


「いや、さっきね、ハイボール4杯頼んだんだけど、彼の2杯分だけ、お酒を強めに持ってきて頂戴」


「かしこまりました」


これでいい……お酒に弱い人ならば、ウイスキーはきついはず。秋人、大丈夫。私が介抱してあげるから。明日までずっと、一緒にいましょう。


「お待たせ! ごめんね~? やっぱりお酒が回ってきちゃったよ」
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