オンライン中毒
 パソコンを立ち上げ、その間に丁寧にスーツをハンガーに掛ける。ヨレヨレで年期が入ったお揃いのパジャマを着込んだ。まるでこの寝巻きは私達夫婦の象徴みたいだ。


それにしても、秋人。私を好いてくれてるのは痛いほど分かるが、やっぱり元気が一番よね。ホテルまで着いて行ってしまうなんて、私って本当にお馬鹿さん。


パソコンの前に座り込み、いつも通りゲームにアクセスした。心配のしの字が出るのは、この仲間達だけだ。


――まだいるかな? 


画面はフランスの風景画のような町並みが広がった。


イチゴ「ピュア遅かったね! 何してたの?」


ドラゴン「グレートとピュアだけ来なかったから、お前らがリアルで会ってたんじゃないかと話してたんだけど、そうなのか?」
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