オンライン中毒
 私がこんな女に負けているとでも言いたいの? 馬鹿馬鹿しい。木下なんて初めから私は相手にしていない。思わせぶりの男は嫌いだ。


顔と性格の良さは比例しないというのは本当だ。こうあっさりと定説を証明してくれるとは、思っても見なかった。


「頭が痛いので、早退させて頂いてよろしいですか? 内科によってから帰ります」


「仕方が無いなぁ。上にも言っておくから、大丈夫だよ。今日はゆっくり休んで良く考えてみて」


「はぁ……?」


「行きましょう! 木下さん! お昼休みが短くなってしまうわ!」


あみは私を睨みつけると、木下の腕を引っ張り、どこかに消えてしまった。


胸糞悪い。でっぱらした口を捻り、引っ張り上げ、顔をめちゃくちゃに殴りつけてやりたい衝動に駆られたが、大人なので抑えた。
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