最後の血肉晩餐
心の痛み
 眩しい太陽がサンサンと容赦なく地上を照らす。


全身が汗で滲んで、ワイシャツが体まとわりつく。


日中の仕事がきつい。今日も変えのワイシャツは鞄に二枚入っている。


バイク出勤なんだが、太陽の光が車体に反射してより熱を帯びている。


あぁ。まるで蝉の声までもが、俺の心の傷を蒸し返し、馬鹿にしている気さえもしてくる。


きついことがあるとどうしても思い出してしまう。


6年間付き合った2歳年上の元彼女のことを。
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