最後の血肉晩餐
 その二種類のクマノミがシライトイソギンチャクと遊んでいる。


真っ白いイソギンチャクが水に揺れ、その先には紫の斑点が水玉模様のように可愛く、


カーテンのようにゆらゆらと黒と黄色のクマノミを癒し、遊そんであげ、愛してるかのようだった。


光は青しか灯らないこの部屋で、幻想的な魚達を賢二はしばしば見せてくれた。


隣の部屋の寝室は靴下が脱ぎ捨てたまま、敷きっ放しの布団、


恋人の桃が勝手に置いていった洋服やら、汚くごちゃごちゃしていたが、この部屋だけは小奇麗に大切にしていた。
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