私は最強ビンボー女!
「『けっこうヤバイ状況だから、青菜を頼む!りおと喧嘩すんなよ?海のことは、任せろ!』とのことだ。」

僕は苦々しげに敦の口調をまねる。


りおの顔はぐっと強張る。

「それだけか?何があったとか、どこにいるとか、何も無かったのか?」


「無い。だが、考えられるとすれば・・・敦は、海のいるところへ向かった、ということだろ。」



りおの顔はさらに強張る。


「じゃあ、敦は海の居場所を突き止め会いに行ったということか。俺らに、何も伝えずに。」



「そういうことだろ。」

僕は低く答える。




りおの拳が、ブルブルと震えている。
怒りのためだ。


僕はハァッとため息をついた。


「海が消えてから14年がたった。そして、敦は海の居場所を突き止めた。だから、海を追いかけて消えた。」


淡々と語る。

脳裏には、青菜ちゃんの笑顔が浮かぶ。



「青菜ちゃんは、また、残された。・・・一人になってしまった。だから、僕達は“とりあえず”青菜ちゃんを見守ろう。
それしか、今の僕達にできることはない。」


りおがチッと舌打ちしつつも、渋々頷いている。



――青菜ちゃんは、何も知らない。

知らされていないのだから、当然だ。


彼女は・・・・・何を思っているのだろう?




―杞憂side end―

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