私は最強ビンボー女!
真っ直ぐにコバルトブルーの瞳が向けられる。

痛いくらいの鋭い視線。




――なぜだろう。


糞ババァは私に聞いているのに、私には、糞ババァ自身に聞いているように見えた。

それは、糞ババァの瞳が、ゆらりと揺れたせいだろうか。






「・・・・・・覚悟はあるよ。」


静かに、けれどキッパリと断言した。


ニッと不敵な笑みを浮かべる。


「覚悟ならある。

私は、ナァちゃんを守りたいし、守らなきゃいけない。」



作戦は無いけど、覚悟ならある。

ハッキリ言える。



真っ直ぐに見つめ返せば、糞ババァはどこか自嘲気に笑った。


「そうかの。まぁ、それくらいは無いとの。」



そう言った後、目をつむり、ずずーっとお茶をすすった。


その様子を、葉月がじぃっと見ていた。

食い入るように。心配そうに、不安そうに。


日岡さんは窓から見える景色を見つめていた。

真一文字に結ばれた口元。




――私の中を、フッと不穏なものが過ぎった気がする。





< 450 / 836 >

この作品をシェア

pagetop