私は最強ビンボー女!
諦めるしかないのか・・・


ていうか、迷子になったり散々じゃんか私。


とか思いながらも、地道に歩いていると。





「・・・・・・ん?」



ぷんと、微かに、けれど確かに、柑橘系の匂いが鼻をかすめた。


なんだろ、この匂い・・・・・・ゆず、かな?

その答えに、思わず私は頷いた。


ゆずだ。確かに、ゆずの爽やかな匂いがする。



でも、なんでゆず?



不思議に思った私は、くんくんと嗅ぎながら、匂いの元であろうところへ向かった。





「ここかな?」


犬になったつもりで探索していれば、匂いの強いところに辿り着いた。




そこは。


ある部屋の前だった。



部屋の中から、強い匂いがする。

ゆずの、良い匂いが。




私は、好奇心から、スッと襖を開けた。


そして、中の光景に、目を見開いた。




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