私は最強ビンボー女!
いや、というよりも。


知ろうとさえ、思わなかったんだ。



私は、糞ババァのことも、お母さんのことも、何一つ知らない。


知ろうとしてこなかった。







――――敵を知らずに、戦いを挑む?


そんなの無謀だ。



私は、何を考えていたんだろう。



何一つ知らないままで、どうにかなるとでも?


仮にも家族なのに、何も知らないままで、いいとでも?






・・・暗殺の知識はある。


けれど、私は朝霧家のことを、本当に知ってるといえる?



そもそもの発端の、お母さんの家出について、何か知ってる?


糞ババァの所業を、何か知っている?




お母さんの思いを。


糞ババァの思いを。



何か、知っている―――――?







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