私は最強ビンボー女!

in屋上とin橋本青の部屋

―翼side―




「えぇっ!

葉月って女だったのかよ!!!」


雅が可愛らしい、男にしては大きな目を更に大きくさせた。




「あーれま。

それは予想外だったなぁ。

でも、女の子だったら、けっこうイイ線いくんじゃね?

落としてみよっかな~♪」


哉がうきうきとした口調で、ニヤッと笑いながら言う。

どんなに卑しい笑いだろうと、コイツにかかれば全てが魅力になる。



けれど、そんな哉でもおそらく・・・



「哉でも落とせないんでしょうね。」


スッと俺の心の内を代弁したのは慎だ。

慎は品のある微笑みを俺に向ける。


「・・・そうでしょう?翼。」


「そうだ。よく分かったな、慎。」


「伊達に副総長やってるわけではないですから。」



にっこり。

完璧という言葉を彷彿とさせる笑みを浮かべる慎に、俺はニッと笑いかける。



「そりゃそーか!」


「・・・・・・ん・・・何の話ぃ~?」


むにゃむにゃと寝ぼけなまこで話に加わってきたのは、楓だ。




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