優花
優と花

新生活スタート


「ついたー!」

あたし、木村 花(きむら はな)は新しい町へと引っ越してきた。
今日から、この町で暮らすことになった。

「お父さん、早く行こー!!」
「待て待て、新しい家に早く入りたいのは分かるけど、まだ荷物があるから運びなさい。」
「分かったよー、めんどくさいなぁ・・・。」

あたしとお父さんは、2人で荷物を家の中へ運んだ。
あたしの家族は実はお父さん1人だけ。
つまり、シングルファザーってこと。
お父さんはあたしがすぐ生まれてから離婚したから、お母さんの顔は全く覚えていないし、母親がどんな人だったのかも分からない。
兄弟はあたしに双子の兄がいるってお父さんから聞いていたけど、写真でちょっと見たくらいであったことはない。
その双子の兄は離婚したときにあたしのお母さんについていったらしい。



2時間後・・・

「ふぅ~、つかれたぁ・・・。」
「お疲れ様、そろそろ休憩にするか?」
「うん!」

あたしとお父さんはお菓子を食べたり、ジュースを飲んだりして、30分くらい休憩した。
そのあと、お父さんと引越しでいろいろ手続きがあるからと役所に行って、それから、ホームセンターでカーテンとか、新しい枕とか、布団とかを買った。

「おい、さっさと決めてくれよ~。」
「だって~、こっちのも可愛いし、こっちも捨てがたいしな~・・・。」
「じゃあ、こっちだな。」
「えっ、ちょっ、お父さん!」

お父さんは勝手にあたしの部屋のカーテンを選んでレジに持っていってしまった。
あのやろ~!勝手に選びやがって~!
・・・けど、いっか。
どっちにするか迷ってたけど、決めてくれたんだし。
会計を済ませ、車で家に帰った。
お父さんが勝手にあたしの部屋のカーテンを決めてしまったけど、あたしの部屋によくあっていたから満足した。
新しい布団も早速、部屋に敷いた。

「花、そういえば、明日から学校だけど、もう学校の準備とかはできてるのか?」
「え、マジでー!?ヤバイ、忘れてた~!!!」
「おいおい、大丈夫か?」
「ごめん、お父さんありがと。」
「今日のうちに準備しておくんだぞ。」

そうだった・・・。
明日学校だよ?!
忘れてた・・・。
ホントは一週間前にこの町へ引っ越してくるはずだったけど、お父さんの仕事の関係で一週間遅れて、今日、この町にやってきた。
あたしは急いで明日の学校の準備をした。
準備といっても、明日は高校の入学式でかばんを探しておくだけだった。

「花~、ご飯ができたから来なさい~!」
「は~い、今、行くから~!」

1回のキッチンからお父さんの声が聞こえた。
あたしは階段を駆け下りた。

「おぉ~、今日はパエリアかぁ・・・。おいしそう!」
「きっとおいしいぞ。さぁ、食べなさい。」
「いただきま~す!」

お父さんは若い頃から、炊事・洗濯の家事はやってきたから、そういうのには慣れている。
料理は特に上手でお父さんの料理に文句を付けたことはない。

「今日もおいしかった~!ごちそうさまでした~!」
「そうか?それはよかった。」

ご飯を食べた後、あたしはお風呂に入って、布団に入って明日から行く学校のことをあれこれ考えていた。

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