優花

青蘭高校ってどんなところだろ?
楽しみだけど、やっぱ友達ができるかとか、クラスに馴染めるか・・・不安だなぁ・・・。
ホントは同じ中学の仲のいい友達と一緒の高校に行きたかったけど・・・
お別れ会の日、離れてても友達ってメアドと一緒にメッセージカードもらって、みんなあたしの背中押してくれた。
大丈夫、きっと、がんばれるよね!


ピピピピピッ・・・・!

ガシャン!

「ん~、眠い・・・。」
あたしはゆっくりと起き上がって、1階のリビングへ向かった。
「花~、早く食べろ~。時間なくなるぞ~。」
「分かってるってばぁ・・・。」
超眠い・・・。
ご飯を食べて、急いで仕度を済ませた。
「おとうさ~ん??ねぇ、まだ??」
「待ってくれ~!!」
「時間がなくなるって言ったくせに。何してんのよ~!」
「いや~、俺の車の免許がないんだよ~。あれ~??」
「もう!じゃあ、あたしもさがすから~!!」
「悪いな。お!あったあった!」
「ったく~、遅れちゃうでしょ~!」
「準備できたなら、車乗って。」
「は~い。」
「よ~し、行くぞ~!!」

学校に行く時間まであと10分前になっていた。
お父さんは超ハイスピードで車を走らせた。

「よかったぁ~、セーフ。」
「じゃ、行ってらっしゃい。」
「行ってきま~す。」

式はあと1時間後に始まるから、お父さんは後で来る。
あたしは玄関に貼りだされた紙を見て、自分の名前とクラス、出席番号を確認して、教室へと向かった。

「1年C組・・・あった、ここだ!」

あたしは教室に入り、自分の席を探して座った。

「おはよう。君がこの町に新しく引っ越してきた花さん??」
「はい、そうですけど・・・?なんで知ってるの??」

あたしに話しかけてきた隣の席の男子はあたしに尋ねてきた。
その子はキレイなサラサラの茶髪で、クリっとした瞳が可愛かった。
笑顔であいさつしてきたけど、それがすっごく爽やかでいい印象を与えた。
わぁ・・・ヤバイよ・・・
かっこよすぎるでしょ・・・
この笑顔、爽やか過ぎて反則だし・・・

「名簿にこの町ではあまり聞いたことのない名前があったから、もしかしたら引っ越してきたのかなぁって思ったんだ。そしたら、俺のとなりの席だったから、ちょっと聞いてみたんだ。」
「そうだったの。あたし、木村花。よろしくね。君は・・・なんていうの??」
「俺?俺は園田優。男なのに、変な名前だろ?優とか、女の子みたいな名前だし。」
「ううんっ、そんなことないよ。優しいって書くんでしょ?さっき、入り口の名簿でチラっと見たの。」
「そう、優しいって書くんだ。花はお花って書くんだっけ?俺もさっき、チラっと見たんだ。」
「うん、そうだよ。よろしくね。」
「こちらこそ。」

お互い自然に自己紹介をしていた。
フフッ、こんなに話せちゃった。
なんか嬉しいかも。
・・・あ~もう、ヤバイかも~
またさっき、ニコッってされたし・・・




・・・・・40分後
そろそろ入学式が始まるので、あたしたちのクラスは先生に誘導され、体育館にいどうすることになった。

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