腕枕で眠らせて





胸に顔をうずめた私からは、彼の表情は見えなかった。


驚かせた、と思う。


けれど水嶋さんは私を抱き寄せるでもなければ突き放すでもなく、ただじっとこの状況を受け止めてくれた。



「……怖い…」


自分の中の高鳴りが抑えきれず震えた声で呟く。


「…どうしてですか…?」


ゆっくり聞いてくれた声は、吐息のようにささやかに。


「…もう…恋したくないのに…傷付きたくないのに……」


なのに、一歩踏み出してしまった事が、怖い。


「鈴原さん」


優しく囁いて呼び掛けてから水嶋さんが言葉を紡ぐ。



「…僕を、信じて下さい…。

貴女が恋に怯えなくなる日まで、僕はいつまでも待ちます。だから。

どうか僕を…信じて下さい」



私の背中に腕がまわされる事はなくても

その言葉が私のすべてを抱きしめてくれた。

包んでくれた。



「僕は決して貴女を裏切らない。守ります。鈴原さん、貴女を」


水嶋さんのワイシャツ越しに聞こえる鼓動と声が、私をときめかせて私を安心させる。



怖い。怖い。怖い。でも。



「……好き……」



好き。


水嶋さんが、好き。





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