腕枕で眠らせて
その声はとても優しくて、でもどこか淋しそうな響きで。
私は隣に立つ水嶋さんを振り向いた。
「…あの…すいません…色々と…」
もう一度たどたどしく謝罪を口にすると、水嶋さんは少しだけ口角を上げて微笑み
「何も、鈴原さんが謝ることはありませんよ。それより」
そう言って私の手を指差した。
「指先、血が出てます」
「あっ…」
言われて初めて気付いた私は慌てて指先を押さえた。
「大丈夫ですか?」
「はい、これくらい何て事無いです」
そう言って、血の滲む指先をテーブルの紙ナプキンで押さえると水嶋さんは
「破片が刺さってる可能性があります。洗って綺麗にしてきた方がいいですよ」
と私を洗面所へと促した。
「いえ、大丈夫…」
言い掛けた私に水嶋さんは
「鈴原さん」
今度はきっぱりとした口調で呼び掛け
「小さな傷でも貴方の大切な身体です。もっと大切にして下さい」
真剣な眼差しに、私を映した。