腕枕で眠らせて










シャラリ、と音をたてて紗和己さんがオレンジの硝子を付けた車のキーを回した。



「あ、そんな所に付けてる」


「スマホってストラップ付け難いじゃないですか。どこに付けるか色々迷って結局ここに落ち着きました」



あの日、私と紗和己さんを繋ぎとめてくれたストラップは、今も鮮やかに光を煌めかせてる。

今は、春の陽射しを浴びて。



「今日はいいお天気だから、きっとお店の陽当たりも最高でしょうね」


「そうですね。早く美織さんに見せたいです」



4月の気候にも負けないゆうるりとした会話を交わしながら、ふたりを乗せた車は桜舞う東京の街を掛けて行く。








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