腕枕で眠らせて



「ああ、いい天気だな。やっぱり今日は電車で正解です。さすが鈴原さん」



表に出て青空を仰ぐように伸びをした水嶋さんの隣で私は小首を傾げる。


「さすがって何でですか?」


「サンキャッチャーの作り手としてはお日様に敏感なのかなと思って。良い日光の日がよく分かってらっしゃるのかと」


「あははっ、何言ってるんですか水嶋さん」


本当に水嶋さんて、変。

大人なのに、男なのに



「ふふふ、今日の鈴原さんはよく笑ってくれますね」



どうしてこんなに柔らかく笑えるんだろう。




この日、電車でもうひとつのお店を水嶋さんと見に行った私は

とても久しぶりに心からよく笑った。








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