血染めの鎖

それがいつしか、他人と関わるようになった。世界が変わった。ちゃんと、教えてくれる人たちに出逢った。



「トルガ、決して無理はするな。五感の内、聴覚だけ集中しろ」


「へいへい」



時折見せる優しさが、嫌というほど心に染みる。

ああ、自分も随分幸せになったなと。



「まあ、お前が倒れたところで後の処置でも楽しめるだろうから、よしとしよう」


「いやなに企んでんのお前っ?!」



これさえ無ければの話。


そんなこんなでギャイギャイじゃれていると、奥から村長と、ここまで連れてきてくれた村娘が顔を出した。

途端、静まる変人コンビ。
オマケにトルガは“本来の”奴隷らしく、リークの斜め後ろで正座している。


なにこの順応性の高さ。

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