そして 君は 恋に落ちた。




俺だけに見せる顔。

誰にも見せたくなくて、触れさせたくない。


出来るなら閉じ込めて――…




「うわーっ 松田君てば見かけによらず独占欲強すぎ!」


いきなり茶化すように笑い始めた瀬川さん。

……確かに今の考えは気をつけよう。一歩間違えたら犯罪だ。



「…ってのは置いといて。

 そいえばあいつ、今週誕生日なんだよね。サプライ的な何か事するの?」


茶化していたのが嘘みたいな柔らかい笑みを浮かべた瀬川さん。
その言葉に、俺は一瞬で頭が真っ白になった。




「あら?もしかして知らなかった?」

「…………………はぃ」

「うわー、マジか!
 まぁ、あいつも自分から言うタイプじゃないしな」



マジか……。



「あの……それと後一つ、教えて下さい」



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