そして 君は 恋に落ちた。

「おはようございます」


いつものように受付の彼女達は綺麗な所作で挨拶をした。

それを見て、私も小さく頭を下げ挨拶を返す。


――が。そんな私をよそに、彼女達の表情が変わった。




「よっ! 相変わらず黒いな!」


バシッと肩を叩かれ、あまりの痛みに振り向くと、土曜日見た顔がそこにあった。



「ちょっと。痛いんだけど」


ジトッと見る私を無視してその長い足をふんだんに使い私から離れていく。

瞬間、聞こえた受付からの声。



「……地味子のくせに…」



それも、いつものこと。





「おい、早く乗れよ!」


言われてエレベーターを見ると、私を待っててくれたのか、ドアを空けたままの瀬川君がいた。

すでに何人か乗っていたので慌てて走った。

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