そして 君は 恋に落ちた。






「なぁ、昨日はどこにいたんだよ」



不機嫌な声の主は瀬川君。



「……少しだけ近所で呑んでた」


「お前帰り遅かっただろ。ハルヒの分際で俺に隠し事かよ」


「本当にすぐに帰りました」


「嘘だね。俺お前の部屋の前で帰り待ってたし」


その発言に、食堂にいた全ての人が息を止める。


―――誤解を受けるだろ!



「……勝手に待たないでよ」


「はっ お前が正直に言わないのがいけないんだろ」


「あのねぇ、」


あまりに理不尽な彼の言動に私がいい加減うんざりしていると、カタン、と私の隣の椅子が動いたことに気づいた。



「おう、お疲れ!松田」



―――その名前に私は隣を見れない。

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