くまのまーくんのお話
くまのまーくんのお話
くまのまーくんは山の奥深くのほら穴の中で、お母さんと二人で暮らしていました。


しかし、ある朝目を覚ますと、隣で寝ていたお母さんは冷たくなっていたのです。


まだ小さいまーくんの為に、毎日せっせと食べ物を捕ってくれていたお母さん。


自分は食べるのを我慢して、まーくんにほとんど渡してくれていたお母さん。


どうやらとても疲れてしまい、長い長い眠りに就いたようです。


まーくんは以前からの約束通り、ほら穴の近くに穴を掘ると、そこにお母さんを寝かせ、土や落ち葉のお布団をかけました。


「おやすみお母さん。起きたらまた一緒にご飯を食べようね」


さて、今日からまーくんは一人で食べ物を捕らなくてはいけません。


とりあえず、近くを流れる川へと行ってみる事にしました。


「あ、いたいた~」


澄んだ水越しにお魚を発見したまーくんは、喜び勇んでさっそく川の中に飛び込みました。


お母さんの真似をして、お魚を手で叩き、河原の石の上に押し出します。


『えぇ~ん。お父さ~ん!』


しかしすぐに足元から、とても悲しそうな泣き声が響いて来ました。


そちらを見ると、小さいお魚がまーくんに向かって必死に訴えかけて来ます。
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