潔癖症の彼は、キスができるのですか?
「横にならないの?」
「なる。大窪くんも寝なよ」
「俺はいいや」
「他の人が寝たかもしれないベッドだから?」
「当たり。よくわかったね」
私はベッドに横になりながら、プッと吹き出す大窪くんの姿を見れて少しホッとした。
よかった。普通に話せてる。さっきの告白なんてなかったかのように……。それはそれで、少し苦しいけど。
「……山口さんこそ大丈夫? やっぱりまだ痛い?」
「全然大丈夫! 私は仮病だから」
「仮病? なんで?」
「大窪くんと顔合わせるの気まずいから、保健室に逃げてき……」
たあぁぁぁ!!!!!?
私はバカか!? 本人目の前にして、笑顔で言うなんて、おバカすぎる!!
大窪くんの顔からは笑顔が消える。
き、気まずい。
マックスで気まずい!!!!
さっきは走って逃げられたけど、今は逃げるに逃げられない。
私は布団を頭までかぶって、顔を隠した。
もう〜! 早く先生戻ってきて! それか、大窪くんがこの保健室から出てって〜!!