ライオンさんのペット
高獅路邸
私も車窓に目を移すと、その光景に絶句した。




私たちを乗せた車は見上げるほど高い柵のゲートを通るところだった。




ゲートとエントランスまでの間には街灯があり、黄昏れ時の薄暗がりを幻想的に彩っていた。




車は彫刻と花々が芸術的に配置された円形花壇を周り玄関の前に停まると、助手席に座っていた男性がドアを開けてくれた。



グレーのスーツを着た、和雅さんとは違った種のイケメンさんだ。




ぱっちり二重に、男性にしては透き通るような色白で、中性的な顔立ちをさらさらと流れる茶髪が縁取っている。




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