止まない雨はない
俺は女から声をかけられた時、必ずいう言葉があった。


「君を好きになることも、愛することもないけど、それで良かったら。」


それに同意した女の身を相手にしてきた。
女たちは、俺をアクセサリー代わりなのだろうか。
まあ、連れて歩くのにはもってこいなのは俺自身分かっていたけど。



だから、俺が人を好きだと思ったのは、あまり記憶にはないが、幼稚園の時位が最後だと思う。


自分でもさめていると思う。
俺には心がないのだ。
いや…違う。心はある。ただ、俺の心は凍ってしまっているのだ。


そんな俺を知っているのは、俺が唯一心を開いている学生時代からの親友…浩介だけだ。
あいつは、いつも俺に言う。


「自分のすべてを投げ出してもほしいと思う女に必ず出会える。
 今は、お前はその相手を探してもがいているだけだ。
 必ずいる。お前からほしいと願う女性が…」


浩介はいつもおちゃらけているが、芯が通っている奴で、小さな俺の悩みも気が付き、何気なく俺を導いてくれるような奴だ。

< 64 / 197 >

この作品をシェア

pagetop