止まない雨はない
「分かんない感情なんでしょ。
賢い恭哉ならもう分かるでしょ。あんたにかけているものが何か…」


俺にかけているもの…お袋の事が心の中に引っ掻かていて、
女を愛するって気持ちが俺にはないんだ。

そんなの分かっている。
だから、その気持ちが分かんないから、この状態になっているのか…


俺は彼女の事を す・き なのか? 



「それは、俺が彼女の事を…」


「そうでしょね。あんたが女の心の部分を気にかけたことなんてないでしょ。
胸のサイズはきになった事くらいあるだろうけど…
 今までのあんたは女に無関心。

その子に向かって今まで他の女に言っていたようなセリフ言える?」



セリフ…女が俺に近づいてきた時


“君を好きになることも、愛することもないけど、それで良かったら。”
 


俺は今までそう言って女を抱いてきた。
全部女からの誘いだった。
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