...Melting Love...―愛檻―


「うん。全部話していいよ。
聞いてるから。
亜姫が溜め込んできたもの、全部吐き出して」

やっぱり……二楷堂はズルい。
私ばかり裸にさせられてる。

けど……一度あふれ出した気持ちは止まらずに、二楷堂の言葉に誘い出されるみたいに口をついた。

「私、何も悪い事してないのに……っ。
なんでこんな苦しい思いばっかり……」

今まで我慢して抑えてきた感情が、抱えきれないくらいいっぱいあって。
持ちこたえられないくらい、重たくて、苦しかった。

「本当は、誰の事も信じられないなんて嫌なの……っ。
お母さんの事も、自分の事も……ちゃんと信じたいのに……!
こんなの、イヤなのに……っ!」

誰かに、こんな風に叫びたかった。
本音で話したかった。

「誰にも言えなくて……っ、でも、本当は……。
誰かに、甘えたかった――」





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