...Melting Love...―愛檻―


「だから亜姫、もう悩まなくていい。
亜姫は自信を持って何にも惑わされずにお母さんを信じてあげればいい。
最高の母親だって胸を張っていいんだ」

涙を隠したくて顔を覆った両手。

はぁ、と息をつくと堰を切ったように涙が溢れだしたせいで、そのまま外せなくなってしまった。
しゃがみ込んでしまいそうになる身体を、二楷堂が抱き寄せて支えてくれる。

その胸におでこをつけて……感情に任せるまま泣いた。

私が泣き止まない限り、いつまでもこうしていてくれそうな二楷堂にさすがに申し訳なく思えてきて涙を拭くと、二楷堂がハンカチを差し出した。

受け取りながら、用意がいいねと呟くと、亜姫が必要なモノなら何でも用意するよと微笑まれる。

こんな時まで二楷堂は二楷堂で、それが嬉しかったし安心した。

「今の話……信じていいんだよね?」

確認するように聞くと、二楷堂は自信を持って頷く。



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