マーブル色の太陽
「そう……かな? 前にね、電話してくれたでしょ? あれがすごく自信になって……」
「自信?」
「うん……あんなに誉められたの初めてだし、具体的にね、言ってくれたでしょ? こうしたほうがいい……とか」
興奮や緊張のためか、それとも、体を支えきれなくなってきたからか、少し息を吐きつつ話す江口さんの事が、すごく愛おしかった。
「参考になったかな?」
「うん……なったあ……」
江口さんの体の震えが大きくなった。
きっと、体を支える事が出来なくなってきているのだろう。
僕に対する好意がなければ、今の時点で立ち上がるはずだ。
きっと、このまま僕の方へ倒れてくるだろう。
この体勢になった時から、そう予測していた。