マーブル色の太陽

下草を処理していない雑木林は、枯れた草木に覆われ、なかなか進むことが出来ない。

棒などで道を作れば、それも少しはマシになるのだろうが、音は立てたくない。

音を立てればこちらの場所を教えてしまうだろう。



そうしているうちに、僕を追い越すように、黄色い煙が低い位置に漂い始めた。

その色から考えるに、木々に水分が含まれているのかもしれない。

だが、枯れた草木に一度火がつけば、一気に燃え広がってしまうのではないだろうか。



暗い木々の中を、ハンカチを口にし、低い姿勢で逃げる。

後ろを警戒しつつ、足を引き摺り、前へ進む。

手袋をしていない手のひらは、茨やトゲの生えた木々のせいで、あちこちに擦り傷が出来ていた。


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