マーブル色の太陽

後、もう少し……。

涙と熱気のために揺らぐ僕の視界は、木々の出口を捉えた。

とにかく出るんだ。

僕は手にした棒を振り回す。

必死になって藪と炎を蹴散らし、転がるようにして、そこから飛び出した。

少しでもこの場所から離れたい。

距離をとるために転がる。

そして素早く立ち上がり、馬場先生のいた場所を見た。



(いない……?)


全身に、気色悪く冷たい汗が噴き出し、僕が後ろを振り向いた、その時だった。
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