マーブル色の太陽


『なあ、オイ。助ケて欲シイか?』


『声』が聞こえてくる。

僕は後ずさりしながらも『声』に答える。


(まだ、死にたくない……)


僕のその声に、『声』は満足げに話を続ける。


『タだし、条件がアる。オ前……ソろそろ替ワれ』

(か、替われ……? な、何を……?)


馬場先生が鎌を振り下ろす。

僕の意思とは違う部分が一歩前に飛び出す。

僕の体は刃の軌道から逸れ、柄の部分だけが肩を叩いた。
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