マーブル色の太陽

坂木は潜伏先の親類の家で、あっさり見つかった。

見つかった時は、自分で自分の命を絶とうとしていたと、大久保が教えてくれた。

坂木は取り調べに対し、常に泣きながら答えたという。



坂木の中には僕に騙された、嵌められたという気持ちがあるだろう。

だが、たとえそれを訴えたとしても、すべて僕の話と合致し、それが坂木の言動とに齟齬が無ければ、自分で自分の罪を強調しているに過ぎない。

坂木がこの街に帰ってくることは無いだろう。
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