俺様ヤンキーに初恋を捧ぐ
…いつの間にか、私は眠っていた。

小さな子供みたいに、

泣き続けて、泣き疲れて・・・

お父さんの温かな腕の中で、

静かな寝息を立てていた。


お父さんは、

そんな私を抱き上げ、

私の部屋に連れて行くと、

そっとベッドに私を寝かせた。

布団をかぶせ、私の寝顔を見つめるお父さんの瞳には、

かすかな涙が浮かんでいた。

でも、その涙を流すまいと、懸命に堪えていた。


「代わってやれなくて、ゴメンな・・・

杏がこんなに苦しんでるのに・・・

父さんは、代わってやることも、

杏の不安な気持ちにも気づいてやれてなかった・・・」


そう呟きながら、

泣きはらした顔で眠る私の前髪を、

優しく撫であげる。


お父さんを苦しめたいんじゃない・・・

ひと眠りしたら、

次の日の朝には、

きっと、いつもの私に戻るから・・・

だから、今だけ…少しだけ・・・

小さな子供でいさせてね・・・
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