俺様ヤンキーに初恋を捧ぐ
「帰れ!」

無意識に泣き出した私を見て、龍が言った。

お父さんはもう何も言わず、その場を去った。


「…杏」

私を引っ張りよせた龍だったけど、

私は意識を飛ばし、龍に倒れこんだ。


「杏!」

龍は私を受け止め、何度も名前を呼ぶ。

でも私は、全く目を開ける事はない。



「龍様、会長が外で待っておられます」

どこから現れたのか、会長付きのSPが、

龍を引っ張った。…しかも2人がかりで。



「離せ!今帰ってる場合じゃないんだ」

抵抗を試みるも、気を失って倒れている私を支えている為、

ほとんど力が入らない。


「龍様!」

2人のSPが、何とか龍を連れて行こうとする。


…押し問答を繰り返していると・・・


「・・・帰れ、龍」

「…雷」

見かねた雷君が、龍に言った。
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