総長からの「愛してる」
「美愛、愛してる」

生きるための意志


《side 美愛》



ーーー話は、2年3ヶ月ほど前の春から始まる。




まだ冬の寒さが微かに残る初春の日。



始まりは、私のある決意だった。






「こんな所、もうたくさん……っ!」



今日も、そうだった。




卒業式の前日だというのに、変わらずに同級生から殴られた。



いつものように、トイレに閉じ込められ、

上から水をかけられ、


机は『死ね』で溢れて、真っ黒に染まっている。




ーーー耐えられない。



「私の、何が悪いっていうの?!」




孤児院の施設内にある自分の部屋のベッドで大声で泣き叫ぶ。




いじめが慣れる日なんて、絶対にこない…




< 284 / 443 >

この作品をシェア

pagetop