2つの地球
人間の心

私たちの使い道

「あなた1人なのね。」
私に話しかけてきたのは人間。
「はい。」
「まぁゆっくりしてってよ。うちの名前は未奈。よろしく。」
未奈って…まさか…
「まさかあの未奈?」
「えぇ。地球の未奈よ。あのクローン輸送機で亡くなった子のね。」
やっぱりだ。どことなく似ている。
「でもおかしくないですか?」
「そうね。でもおかしくはないのよ。」
私は意味がわからなかった。
「だって地球にいくのは地球の方が亡くなってからですよね?」
「あら、あの星ではそう言われてるのね。実はね貴方たちはクローンの失敗作なの。普通は感情を持ってはいけないのに、持ってしまった。それであの星に飛ばされたのよ。そして地球には失敗作ではない成功したクローンを使ってるわ。私たちに似たクローンを。そのクローンはとても複雑で直そうにも直せない。だから貴方たちにきてもらってるの。」
結局は失敗作でただの代わりか。
感情を与えたのは人間のくせに。
て、ことは私は地球につくと感情も記憶もなくなるってことか。
「私たち失敗作を使っても意味なくないですか?」
私の疑問はいっぱいある。
「意味はないわよ。まぁいないよりはマシって考えてるんじゃないかな。政府は。」
いらないのに使う必要なんてないじゃない。
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