2つの地球

「花梨ちゃん…?やっと本音で話してくれた…」
わざとにこんな事したのかな。
私を引き出すために。
「わざとじゃないよ。私が思ったことを話したら花梨ちゃんも話してくれると思ったの。」
私はしょせんクローン。
人とは違う。
命がない。
けれど、私には心がある。
本当の言葉で話せば伝わる。
たとえ聞きたくなくても、伝わってしまう。
「感情なんてない方がいいのかな…」
ふと、そんなことを口にしてしまった。
「花梨ちゃん!それは違う!私が言えるとじゃないけど、感情があるっていいことなんだよ?感情がないと笑えないし、泣くこともできない。恋することだってできないんだよ!」
そっか…
感情がなければ何もできないのか。
感情があるから笑ったり泣いたりできる。
感情あるから恋ができる。
感情っていいものなんだ…
「ごめん。私、裏切られたって思ってた。あなたはなんにも悪くないのに。私に色々教えてくれたのに…」
「いいよ。謝るのは私の方。ごめんね。
あんな終わり方したらそりゃ裏切られたと思うよね。これから仲良くしよう?」「うん!」
私は花梨ちゃんが好きになった。
裏切られたと思ってたけど、違った。
それに、私に色々教えてくれた。
これから花梨ちゃんと2人であの制度をやめさせる。
やっと地球にこれた。
仲間もできた。
これで、これで、終わらせるんだ!
< 35 / 43 >

この作品をシェア

pagetop