真夏の残骸
固まったまま動けないでいると、きりのくんが徐に口を開いた。
「…………おれのとうさんとかあさん、あんまりなかよくないんだ」
絞り出したようなか細い声は、蝉の鳴き声に紛れてあまり聞き取れなかった。
でも理由なんかはどうでも良かった。
きりのくんがいなくなっちゃうことの方が、ずっと大事だ。
それからゆっくりと小さな声できりのくんは家族が不仲なことについて話してくれたけど。
わたしの耳には殆ど入ってこなかった。
ずっと心臓が嫌な音を立てていて、周りの音がとっても聞き取りにくかった。