真夏の残骸
「なんで、今日…来ないって…」
「……行かないつもりだったよ。ちかに会うのが怖かったから」
……こわい?
意味が解らない、と顔を歪めるときりのくんはそっとわたしの腕を引いた。
あの日とは逆。
彼が、わたしを捕まえてくれた。
小さな穴に、ふたりして落ちていくようで。
そこに深い深い穴は広がっていないけど、まだどうにか、ふたりを隠してくれる。
「かくれんぼ、見付かっちゃうよ」
鬼の声は既に遠く、聞こえない。
子供っぽい笑顔を見せるきりのくんを見ているとまた涙が溢れそうだった。